2009年 07月 05日
2009年3月期決算 |
相変わらずな日々を過ごしています。コラムです。先週の金曜が総会集中日でしたので、ここらで2009年3月期決算に関する話題でも書き連ねてみます。今年の集中日は、6月26日(金)。近年、分散傾向にあるといっても3月期決算の半数近く(49.3%)の会社がこの日だったようです。世界同時不況のなかで、企業の会計数値もその影響を反映したものとなっています。最近の記事を追ってみても、貸倒引当金の計上額が1年前に比べて7%増加しているとか、繰り延べ税金資産の取り崩しも影響して税負担率が89.5%で前期比49.9ポイント増の過去最高だとか、関連会社の持ち分法投資利益が64%減少するだとか、固定費削減のために2010年3月期は、減価償却費の減少が7%になる見通しだとか、東証の上場廃止が上期38社で過去最多のペースだとか、昨今の財務状況の悪化と改善への対応が垣間見れます。2009年3月期決算と言えば、終に始まったのが内部統制報告制度です。「重要な欠陥に該当し、内部統制は有効でない」と記載した報告書を提出した企業が、2672社中56社(2%)だったそうです。ほとんどの企業は、すでに「内部統制は有効と判断」されているようです。内部統制報告制度の成果なのか、不適切な取引や会計処理の誤りなどで過去の業績を訂正する企業が増えているのも2009年の特徴のようです。6月27日時点で、15社ですでに2008年の数に並んでいるとのこと。あと、有価証券報告書や四半期報告書の提出遅れも増えているとか。6月16日時点で、すでに35社で昨年の40社に迫っているようです。報告制度と言えば、有報が株主総会前に提出可能になるとか。従来、総会で承認を受けた計算書類を添付する必要から、総会後でないと提出できなかったのですが、財務情報が詳細に載っている有報が総会前に見れないのは不便ということです。そもそも根は、会社法と金商法で情報開示制度が別になっていることにあります。いわゆる日本のトライアングル体制です。上場会社は、金商法による財務諸表と会社法による計算書類という2つのB/S、P/L等を作成し、それぞれに監査を受けるのが現在の日本の財務報告制度です。そもそも目的が異なるので別物になるのは仕方がないようでもありますが、やはり同じような書類を2つ作るのは煩雑だということになります。現在、一元化に向けた議論が活発化しているようですが、個人的には日本は確定決算主義だし、一緒にするのは現実的には難しいんじゃないかと思っています。昔、修論で書いた国際化は金商法会計、国内は確定決算などに対応して会社法会計といったダブルスタンダードも悪くないんじゃないかと密かに思ってます。
by yangyi0312
| 2009-07-05 00:57
| 会計一般