2009年 06月 12日
システム開発と会計制度 |
梅雨になりました。コラムです。前職SEということもあり、なんとなくコンピュータのシステム設計(開発)と会計制度(会計システム)の設計という2つのシステム設計(開発)について、無理やり語ってみようと思います。システム設計は、システムの目的を定め、その目的を達成するための具体的な仕様を決めることです。コンピュータシステムの場合、要件定義、外部設計、内部設計という一連の設計フェーズで説明され、会計制度の場合、概念フレームワークの作成、各種会計基準の作成、実務指針の作成といった流れになるのではないかと思います。システム設計で重要なことは、まずは整合性でしょう(コンピュータの場合、致命的ですね)。そのうえで、拡張性やメンテナンス性の高いシンプルな構造を設計することが求められます。そして、何よりも嫌われるのが一貫性のない行き当たりばったりなプログラムなり設計です。いわゆるGo To文に代表される可読性の低下を招くプログラミングが好例でしょう。コンピュータのシステムを作成するときの首尾一貫性を考えれば、会計や法律におけるシステム全体から見た整合性というのは、無いに等しいようにも感じます(性格が異なるので仕方がないことですが)。ただ、少なくとも理論的に、つまり論理的に一貫した形であることは必要です(解釈の問題なんですけど)。理論的に一貫した会計制度(会計システム)は、信頼性が高く、使用が容易で、新たな取引形態が生じても汎用性が高いのは、コンピュータシステムと変わりません。現実の会計処理に対して、市販されているような会計ソフトウェアが作成できるのも、会計が複式簿記という標準化されたパーフェクトなシステムの上で処理されているからこそです。会計帳簿というのは、恐ろしくよくできている代物だと思わされますね。コンピュータのシステム設計には、構造化設計やオブジェクト指向といったロジカルな設計・開発思考があり、また、開発プロセスにも、ウォーターフォールやアジャイルのようにいくつか方法があります。サラリーマンをしていた頃から、こういったソフトウェア開発の考え方を会計制度(システム)の構築に少しでも応用できないかと思っていますが、特に進展はありません。ただ、その頃培ったPCスキルと徹底したロジカルシンキング、あと、忙しさに負けない体力&精神力は、何かと役に立っています。やはり、この題目にはムリがありました。最近、コラムのむちゃぶりが過ぎていますね。会計とシステムの関係は、会計基準が変更される度に、会計ソフトが更新(買換え)されるという基準変更特需が密接な関わりと言えます。内部統制も始まったし、今日の日経朝刊には2015年にIFRS義務化を目指すなんて書いてあったし、会計に関するシステム開発の仕事は、安定して供給されることでしょう。
by yangyi0312
| 2009-06-12 23:22
| 独り言