2009年 05月 23日
誇大妄想 |
なんか疲れが溜まってきてます。コラムです。具体的に進展しないのに、日々妄想ばかりしています。そんな妄想を独り言として書き記してみます。会計関係の方は、読むことをお勧めできません(きっと内容に絶句されます)。さて、時は遡り会計研究に興味を持ったのは、海外では概念フレームワークという演繹的に会計基準を導き出すスゴイものがあるという話を聞いたのがきっかけでした。そして、日本にはまだないと。そして、大学院に入って、概念フレームワークや基本的な会計理論の本をとにかく読みました。そこで考えたことをまとめたのが、修士論文「二つの会計目的観と我が国会計制度の方向性-意思決定有用性思考の台頭を中心として-」。我ながら大それたことを書き連ねた天晴れな内容です。その当時(今もそうですが)は、会計は受託責任の遂行が基本目的だと強く思っていまして、意思決定有用性なんて科学的アプローチとしても成り立ってないじゃないかといった感じでした。でも、世の中の流れとして、そう言ってもいられないということで、受託責任の遂行は商法会計に任せ、意思決定有用性は証取法に任せてしまえばいいじゃないかという結論(要はダブルスタンダードでいいじゃないかと)。その後、中国会計をやってみたり、休学して就職したりと研究から少し離れたりもして、社会人大学院生として戻ってきたわけですが、やはり基本的な疑問は解消されず、結局は相変わらず受託責任の遂行と意思決定有用性、資産負債アプローチと収益費用アプローチという二項対立の議論を続けていました。最近では、世の中の論調もあり、二項対立的な議論から抜け出し、両者は併存するという前提のもとでの会計理論の構築が正解なのかなと模索しています。主として異なる測定属性の併存を可能にする利益計算構造を考えるということですが、まずは、会計目的観について、受託責任の遂行と意思決定有用性が併存している現実社会を証明することをもって議論の出発点として、資産負債アプローチと収益費用アプローチのいずれかによる理論構築ではなく、両者が併存するハイブリットな会計理論、もしくは視点を変えた新たな会計理論について考えてみようかと。今現在、妄想している基本的なスタンスは、測定属性の選択を認識・測定の対象となる資産等の経済活動の態様によって行うというもので、つまりは、事業活動に関するものは、正確な期間損益計算を目的に取得原価主義会計による長期的視点による信頼性の高い硬度な測定値による報告を行い、金融活動に関するものは、リスクの開示、企業実態の開示を目的に公正価値会計による現在出口価格による開示を行うといったような、資産用途に応じた属性の選択です。基本的に、受託責任の遂行であろうと意思決定有用性であろうと、欲しい情報は、同じだと思っています。事業資産の会計情報としての数値は、売却価値ではなく、その企業が持つことによって将来生じる価値であり、それは実際に操業で得た利益であり、それに対応する形で費用配分するのがいいと株主も投資者も考えるであろうと思いますし、金融資産はその時点の市場価値を株主も投資者も知りたいと思います。要は、その資産の意味にあるんだと思います。そして、さらには、高度に進化した経済社会に対応した会計報告のあり方として、知的資産に関する開示についても検討する必要があるように感じます。つまり、プロダクト経済、ファイナンス経済、ナレッジ経済という態様やプロセスの異なる経済活動を財務諸表上にどのように明瞭な形で表現し、会計報告するかということです。この解決の糸口は、上記の測定属性の併存を前提とした会計システム(計算構造)と経済活動の態様別に開示できる報告様式を用意することじゃないかと考えています。と、頭の中では妄想は膨らむばかりですが、実際に理論構築するほどのサーベイも足りず、具体的な議論になかなか発展しません。今日まで世界中の機関や学者が論じてきた内容を読み漁って、自分なりに再構築したいと気持ちばかりが膨らみます。それにしても、時間がない。・・・、言わない約束でした。
by yangyi0312
| 2009-05-23 01:46
| 独り言