2009年 05月 03日
議論の焦点 |
いろいろ思いを巡らしていると書かずにはいられません。コラムです。今、会計理論について、何を考えるべきなのでしょう。会計学総論の講義では、相変わらず一般原則、P/L原則、B/S原則の話をするのですが、時代錯誤の感を拭いきれません。財務会計や国際会計のような専門科目であれば、遺憾なく現代会計の面白さを語れるのですが、基礎科目ではカリキュラムも固定化されていて、余裕がないのが実情です。会計学の初歩では、従来の取得原価主義会計として精緻化された企業会計を語るわけですが、実際は金融商品会計基準に代表される時価評価を導入している基準が続々と公表され、その理論では全く説明できないのが現在の会計実務です。取得原価主義会計と公正価値会計を論じる際には、大抵、会計目的の違い(受託責任会計 vs 意思決定有用性会計)か、利益観の違い(収益費用アプローチvs資産負債アプローチ)による二項対立的な話に終始してしまいがちですが、この議論、正直聞き飽きたし、エンドレスです。現実的には、両者が併存しているのが今の世の中であり、二者択一では到底結論なんて得られるものではありません。なので、議論の焦点は、両者の併存をいかに論理的に説明しうるかということなんだと思います。取得原価主義会計と公正価値会計の認識・測定のメカニズムの相違とその融合ということになるのか、、、でも、違うものは違うんだから、視点を変えないと結論は得られない気がします。ものすごく単純に考えると企業価値とか業績評価って、企業全体の組織価値にあると思うんですが、これを一律に評価することはムリがあるんですよね…。だから、個々の資産について個別評価するわけで。そして、個別の資産によって保有の目的・用途や異なると。機械とかの事業用とか、金融資産のような投資運用とか。つまりは、その評価する対象の意味について考えて評価基準(認識・測定)が変わってくるんじゃないかなぁと。当たり前のようで、やれ全面時価(包括利益)、いや取得原価(純利益)では、消えてしまいがちな視点です。もっと大枠で違った視点で捉える時期に来てるんじゃないかと思います。もちろん、全面公正価値ではなく、違う視点で。
by yangyi0312
| 2009-05-03 22:45
| 会計一般