2009年 03月 27日
SI企業における工事進行基準の適用 |
休み期間は、コラムの数が増加傾向。コラムです。今更ですが、『情報サービス産業 工事進行基準適用マニュアル』をザックリ読んでみました。先週あるセミナーに参加したのですが、そのときの講師の方がこのマニュアルの作成に携わっていた方だとは気付きませんでした。この手のセミナーに参加すると定期購読がつくので、ウチには『日経ソリューションビジネス』と『日経コンピュータ』が毎号届きます。SEを離れて1年ですが、手にすると懐かしい感じがします。さて、前置きが長くなりました。このマニュアルは、工事進行基準の運用に必要な業務モデルをプロマネ業務と会計業務の2つの観点から、それぞれポイントごとにフローチャートが示されていて非常にわかりやすくまとめられています。まさにシステム設計時の業務分析なんかを髣髴させるマニュアルです。要となるのは、管理しやすい規模への契約の分割、コスト見積りの精度、正確な進捗の把握あたりだと思います。具体的な体制作りは、上述の通りフローチャートになっているので参考ください。ところで、マニュアルや一昨年の論文にも書いたのですが、工事進行基準の適用はIT業界のプロジェクトマネジメントを確立するいい機会となると思います。曖昧な仕様、動かない(機能しない)システムやユーザーとベンダーの相互依存と敵対関係、このような誰もが経験のある事態を改善するまたとないチャンスとなるはずです。政界との癒着が問題となる建設業界ですが、請負工事に関するマネジメント力は、IT業界とは比較にならないほど進んでいます。しかしながら、昨年12月に終わったDay2プロジェクト(三菱東京UFJのシステム統合)は、開発工数11万人月、投資額2500億円。ピーク時に6,000人のSEが動員されていたっていうんだから建設業顔負けの規模です。よく無事終了したもんだと思います。これを統括指揮した人はスゴイですよね。SEというのは企画力、提案力、実行力、交渉力、動員力、プレゼン能力、取材能力・報告能力、ドキュメンテーション能力、コミュニケーション能力、リーダーシップ、研究能力、瞬発力、持久力、協調性、情報収集・発信能力、そして責任感のいる超人的な人間だなと思います。前職でも中堅以上の人はホントに能力の高い方ばかりでした。さて、今後、日本でIFRSが適用されるようになると、工事完成基準は存在しないので、また会計処理が変更されることになります。あと、今現在のIAS11号の考え方は、現在作成されている概念フレームワークや収益認識基準と整合性がとれるか不安が残るところです。整合性がとれない場合は、とれるように改訂されるのが筋でしょうから、IFRSはIFRSで変更の可能性もあります。会計基準が落ち着いた運用になるのは、いつになるのやら。
by yangyi0312
| 2009-03-27 01:15
| 会計一般