2003年 05月 06日
トライアングル体制 |
今回はトライアングル体制。言わずと知れた、日本の会計制度の体系を表した言葉です。商法会計、証券取引法会計、税法会計の3つによって、日本の会計制度は成り立っています。さて、近年では証取法会計が強くなっているせいで商法会計がかなり証取法寄りになってきています。これでは二つある意味がないと思いませんか?世間ではトライアングル体制が否定的に論じられることが多いように感じられますが、私見では、この体制は素晴らしいと思うのですが、どうでしょう。証取法会計と商法会計は法律の目的、つまり立法主旨から違うわけで、両者の接近を試みること自体おかしな話なのです。証取法は、その1条において証券流通の円滑を謳っている法律であり、商法は株主、債権者の保護のための法律です。証取法が、投資者の意思決定のため、証券の流通促進のために時価会計であるとか、投資者を意識するのは当然でしょう。しかし、商法はそうはいきません。商法こそはアカウンタビリティの履行を重視した会計であると私は信じています。これが行われないと経営者のアカウンタビリティをどこで誰が見届けるのでしょうか?市場経済に流された、投資者重視の情報では、その履行は中途半端なものに終わってしまうと思います。そこを狙って、企業の不正が蔓延る危険性もあるのではないでしょうか。投資情報と説明責任は全く別ものです。商法会計と証取法会計の明確な分離こそ、会計の機能を適切に行える仕組みだと思います。そのうえで税法会計は、証取法会計のような将来の利益まで含まれたあやふやな利益より、商法による適確な利益によって、確定決算主義をまっとうできると思います。言いたい放題言いましたがこんな感じです。
トライアングル体制っていいと思うんですけどね。
トライアングル体制っていいと思うんですけどね。
by yangyi0312
| 2003-05-06 00:00
| 会計一般