2003年 11月 26日
実務と理論 |
地震は起きませんでしたね。コラムです。今回は,“実務と理論”と題して、てきとーに書いてみようと思います。私の実感として、会計理論を勉強している人(自分も含めて)、研究されている方は、どうも実務についての知識が浅いというか、感覚に乏しいように感じます。私自身も他の専攻の授業に出席する時に、会計に関するもの(Annual Reportなど)を使用するときに、諸外国の会計処理や会計基準について聞かれることがありますが、ほとんどが答えに窮してしまいます。そして、恥をかくわけですね…。しかし、これは結構一般的にいえることではないでしょうか?そして、当たり前といえば当たり前。私はベテランの会計士ではないですから(←言い訳)。しかし、諸外国の企業に限らず、自国の企業分析、経営分析をする際には、その業界の特性なり、実務なりを少なからず理解していないと正確な分析はできませんし、単なるバカの数字遊びになりかねません。どうやら、世間一般では、そういうレベルで会計学者は正確な財務分析ができない、実務を知らないと思われがちです。さて、どうしたものでしょう。そして、会計実務、つまりは会計士や税理士といった会計実務をリードされていらっしゃる方たちからもかなりの距離感を禁じ得ませんね。このような実務家先生は、企業(実務)を通して、会計のオールジャンルにわたって、問題や注意すべき点を身をもって学んでいらっしゃいますが、自らの殻(狭い専門分野)に閉じこもって、本ばかり読んでいる学者先生は、そのような実務からどんどん遠ざかってしまっているのではないでしょうか。私自身、実務の場に入ると理論が霞んできて、自分のやっていることはここでなんの役に立つのだろう?なんて真剣に考えることもしばしばあります。まあ、実務を秩序立てて、首尾一貫したものにするために理論があるわけですけど。社会科学一般において、実務(実際の社会)と理論との関係は常に意識しておかなければならない事項です。様々な実情を謙虚に受け止めて、精進しなくてはならないですね。最後に会計に関して何でも即答できるのは、差し詰め各国の会計士資格をもち、それなりに実務をこなし、かつMBAを取得している会計理論家といった感じでしょうか?そんな人はそう多くはいないですよね。
by yangyi0312
| 2003-11-26 00:00
| 会計一般