2004年 03月 25日
会計の語源 |
ふと気付けば、身分を証明するものがありませんでした。コラムです。今回は、“会計の語源”です。語源というよりは、字源ですね。「会」の字源と「計」の字源、そして「会計」という言葉の語源を探ってみましょう。まず、「会」ですが、「会」の旧字体(表示できません)は、「曾」が変形したものらしく、「合」を意味しているらしいです。「曾」は、湯気と蒸篭と焜炉を示している漢字で、蒸すことによって大きく膨らみ、原型より増大する、転じて「増す」という意味らしく、そして「会」と「曾」は同義語らしいです。つまりは、「会」は「増」の意味なのです。次に、「計」ですが、「計」は「言」と「十」を合成した字で、意味は「言」が明確にする(話す)こと、心声、真心を吐露することで、「十」が東西南北の方位を意味して、交差点がその中心(そりゃそうだ)であり、共同体の場所を示しているようです。古来、方向感覚から十を書き、どの方面に何がどれだけあって、そのうちどれだけ狩猟し、持ち帰ったかを報告することが慣わしだったようで、狩猟から帰ってきた者は、長に現場の真実を説明し、獲物の数量を正しく報告することを要求されていたそうです(どこまでが本当の話なのか?)。とにかく、「計」の字には、各方面の真実を言うという意味があるみたいです。そして、「計は会なり」という言葉があるらしく、2文字に同じ意味があるという説もあります。さて、この「会計」という言葉が歴史上の文献で初めて使用されたのは、『史記 夏本紀』だそうです。しかし、夏代にはまだ文字もなく会計に関する認識もあったとは思われないとのこと。さらに、当の司馬遷の漢代においても会計は記録程度にみなされて、今日的な会計という認識はなかったようです。かの孔子も「会計」は収蔵と引き渡しの単なる出納を行ないことと認識しているようです。時代を逆行してますが、もういっちょ昔に戻りまして、西周の頃の国家財政会計の説明として、内部牽制組織をもった専門職員による会計記録と会計報告書作成の制度があり、度々調査、点検、検査と監査が行なわれていたようで、これは会計としての意義をしっかりと捉えているようです。これが意味することは、まさしく会計の制度が確定したのが西周の頃だということでしょう。詳しくは、津谷原弘『中国会計史』税務経理協会のP1~6を読んでみてください。上記の内容がきちんと説明されてます。
by yangyi0312
| 2004-03-25 00:00
| 会計一般