2004年 04月 05日
公認会計士・監査審査会 |
国民年金、育英会、中大奨学金…。年度始めは免除始め。実際問題、借金まみれです。さて、今回は、年度始めの4月1日に発足した“公認会計士・監査審査会”。この審査会は、監査法人への警戒処分と公認会計士試験、そして監査の質を点検するという業務を担う機関です。前身は、金融庁の公認会計士審査会。エンロンやワールド・コムに代表されるアメリカにおける不正会計事件を教訓に、日本でも監査の質の確保するための監査を監視する機能の強化が求められた結果、監査の質の点検という業務を付け加え、新たに金融庁から独立して設置されました。背景としては、アメリカにおける監査の監督がピアレビュー中心から、PCAOB(公開企業会計監視委員会)への監督という体制への移行やIOSCOによる監査人の監督は職業専門団体から独立した機関が行うべきであるという提言が挙げられます。アメリカにおける監査事務所同士による監査の品質管理であるピアレビューは、日本においても、1999年から品質管理レビューとして、会計士協会が自主規制として監査法人・会計士へのチェックをしてきました。しかし、キャッツなんかに代表される会計士も共謀した粉飾も已然として起こっていますし、海外における不正事件もあって、会計士への不信の強まりと監督の強化が必要となっているわけです。そもそもピアレビューや品質管理レビューは、同業人における監督体制というところに一般的に不信が募りやすいとも思われますね。もちろん、厳格に行なわれていると思いますが。しかし、監査する人間をまた監査するという制度は、終わりのない話のように感じませんか?その監査を監査している人をこれまた監査しないと信じられないみたいな。普通に考えて。疑心暗鬼になると何も信じられませんよね。結局は。まあ、程度の問題ですよね。そういうのは。とりあえず、今回発足した公認会計士・監査審査会がしっかり任務を果たしてくれれば、問題ないのです。話は、会計士試験に逸れますが、この審査会は、前身の公認会計士審査会から引き継いで会計士試験を主な業務として行っていきます。会計士試験は、会計専門職大学院構想に代表されるように、大きく変わろうとしています。会計士の質を考えるには、まず入り口の試験から合格後の教育体制(そもそもの日本の会計教育も再考の余地あり)が問われることになるでしょう。そういう意味でも、この審査会が日本の監査制度を大きく左右するものであることは間違いないですね。まずは、現状の監査の実体を暴いてもらいましょう。
by yangyi0312
| 2004-04-05 00:00
| 会計一般