2004年 05月 22日
MD&A |
髪切ったら風邪ひきました。よくあるパターン。コラムです。今回は、“MD&A”。要は、MD&Aレポートのことです。M&AでもMini Discでもないです。MD&Aとは、Management’s Discussion and Analysisの略で、訳にはいろいろなものがありますが、「経営者による財政状態・経営成績の分析」といったところです。このMD&A、2004年3月期の有価証券報告書から我が国でも適用されるようになります(厳密には、MD&Aとほぼ同様の内容を、決算短信の「定性的情報」の「経営方針」にある「会社の対処すべき課題」に記載することが望まれるということを定めたということです)。我が国でもと言いますのは、もちろん諸外国ではすでに取り入れられているということです。この新たなMD&Aの開示は、MD&Aだけではなく事業等のリスク、コーポレート・ガバナンスの状況という3本柱の開示です。ちょうど2年前に、カナダのCICAの発行したMD&Aレポートの指導書を読む機会があったので、そのときの感想としては、財務諸表を補完するものとして、実際の経営の事業状況や事業環境、長期および短期の戦略などが開示されているものであり、IRの一環かな(?)と感じていました。雰囲気としては、財務諸表のようにガチガチの数字の報告というより、かなり自由な感じのレポートだと思います(いや、現にそうです)。MD&Aレポートの狙いも経営者と投資家との意思疎通、会計情報だけではわからない経営情報を開示することによって両者のギャップを埋めることにあると思います。まあ、証券アナリストなんかといった投資判断を本気でする方には、優れた判断材料となるのでしょう。さて、今回我が国にも採用されるこのMD&A、国際的な場ではどのような議論がなされているかというと、4月のリエゾン国会議では、財務諸表との関連、そもそもMD&Aという呼称でよいのか、もっと広範な内容を含むのか、強制されるものなのか強制力のないガイダンスとするべきか、監査との関連は?などなどとかなり基本的な事項が検討されているような状況のようです。開示の内容が内容だけに、強制したり、様式を細かく定めることはあまりよろしくないと思います。しかし、どこまで自主的な判断に任せるかの線引きが難しい所です。そもそも、財務諸表の開示もアカウンタビリティの履行のために自主的に行なっていたんですけどね。みんなが嘘をつかずにきっちり情報を開示すれば、監査なんていらないんですけどね。そうはいかないのが、人間なのです。
素直で正直であることが何よりも大切。
素直で正直であることが何よりも大切。
by yangyi0312
| 2004-05-22 00:00
| 会計一般