2005年 11月 20日
並列開示(包括利益&純利益)はいいことだ。 |
すっかり寒くなって冬の匂いがしてきました。街は早くもクリスマスモード。。。コラムです。IASBの業績報告プロジェクトが包括利益の一本化をやめて、純利益の並列開示を認めることを決めました。包括利益への一本化には個人的にも非常に懸念していたので、今回の結論を知って安堵しています。包括利益によって、企業の資産の健全性がわかり、純利益によって本業の収益がわかるという好ましい形だと思います。時価主義、取得原価主義をうまく取り込むことができています。行き過ぎ感のある市場原理主義的な考えの抑制にもなるんじゃないかと思います。国際会計の話では、私の一応専門である(形だけ?)中国で動きがありました。IASBとCASCが中国会計基準のIFRSとの共通化を正式に合意したようです。具体的な内容は、CASCの公表している具体的会計基準とIFRSを共通化するといったことで、会計制度のようなより包括的な基準を変更するという趣旨ではないようです。あくまで対証券市場の話なので当たり前ですが。まあ、中国の場合は基準の整備はともかく、基準を現場できっちり実施していくことが課題でしょう。資本市場の基本的なインフラ(法や基準の整備)ができても、前提(現場での運用)が整わないと中国の証券市場の活発化には繋がらないですからね。日本の話題としては、海外子会社の連結に関する会計基準の新ルール案が公表されました。海外子会社を連結する際に日本基準で行うというだけの話なんですけど(現状は現地基準(違う基準のままで)で連結しています)。連結する限り必要な作業でしょう。思いますに(話変わります。)、こういう一つ一つの改正の度に、世の中が日本基準から米国や国際会計基準へと動きつつある匂いというか雰囲気を感じます。共通化が進むに連れて、米国や国際会計基準のメリットというか各国基準の不便さが目に付くようになります(いい意味でも悪い意味でも)。まあ、少しずつ共通化され最後にうまく統一されれば、みんなハッピーなのでそもそも共通化そのものが悪いわけではないのでいいんですけど。ただ、文化という大きな壁が待ち受けていることは間違いないわけで。世の中の争いというのは、大小に限らず単なる考え方の相違が原因であって、そこがすんなり解決するようなら争いなんて生じないんですけどねぇ(また話が変わった?)。話題を変えて、今月の初めに会計士の二次試験の合格発表がありました。世の中のニーズや求人は増えているのに、合格者は前年割れ。どうやら司法試験も前年割れらしいです。まあ、むやみやたらに増やせばいいというもんではないので、このあたりで微減もいいと思います。ここ10年くらいで合格者は倍増してますからね。今や合格者千人は当たり前の世界。職業倫理に則ったご活躍を期待しています。明日の巨大粉飾事件を防ぐのはキミだ!!税理士の合格発表は来月ですね。発表までの3ヵ月半は生きた心地がしないと思います。でも、答案を捌く先生方も生きた心地がしないはず。とりあえず、今月コラムを一つ書いたことで充実感。次は来月になるでしょう。
by yangyi0312
| 2005-11-20 19:31
| 会計一般