2005年 06月 26日
株主総会の季節 |
不覚にも風邪で寝込んでしまいました。コラムです。しかし、暑い。クーラーなしの生活を送っている私にとってなかなかツライ季節になってきました。それは私的な話ですが、世間では株主総会の季節です。上場企業の8割が3月決算なので毎年大体この時期です(ちなみに世の会社全体では2割程度です)。今年の集中日は6月29日。集中度は年々低下して、現在6割弱のようです(ちなみに10年前は9割)。集中させる理由が、株主を株主総会に出席させないためであったために、株主重視のこのご時世では分散化や土日開催が進んでいます。会計システム等の効率化によって、決算発表までの所要日数(今年は44.2日)が年々短くなっていることも少しは関係あるのかな。まあ、そんな感じで早速昨日日経に決算公告特集が入っていました(まだ薄いけど)。とりあえず、上場企業の業績は好調で三期連続の増益。経常利益は、全産業ベースで23.7%増(製造:22.3%増、非製造:25.9%増)で業種別に見ると石油:約3.5倍、化学:31%増、鉄鋼:2.4倍、商社:72%増、自動車:2%増、電器:13%増、精密機器:1%増、不動産:14%増、小売業:18%増と資源(材料・素材)・原油価格の上昇や円高などの要因をそれぞれに受けて割合は区々ですが、とりあえず増益となっています。増復配も2社に1社とかなりの高水準です。上場企業の配当利回りも東証一部の予想平均利回りで大体1.17~1.29%だそうで、銀行に預けることを考えればかなりの利率です。配当性向を高めて投資家を呼び込むことで買収リスクを軽減したいのもわかりますが、最近の個人投資家にはなかなか通じない論理かもしれません(短期保有だから)。新会社法では、年4回の配当も可能になるようなので、その方が個人投資家を呼び込めるかもしれませんね。今回の株主総会の目玉は、ホリエモン事件を受けての買収防衛策の導入です。株式発行枠を2倍以上に拡大しようとする企業が40社強に上るようです。既に、東京エレクトロンと横川電機では総会で否決されています。ここの2社の株主は投資した企業にそれなりの関心を払っていることが伺えます。要は外国人なんですけど。最近増えている個人投資家、特にデイトレーダーのような方は、送られてくる召集通知などは封も切らずにゴミ箱行きだとか。でも、意外に総会の頃には株主ではなくなっているということも結構あるでしょうね。さて、話を企業の買収防衛策に戻しまして、授権資本の拡大はともかく(似たようなもんですけど)新株予約権の発行は、好ましいとは思えませんよね。どう考えても株式の希薄化を招いて、既存株主が損をしてしまうでしょうから。実際、ニッポン放送も裁判所に止められ、ニレコも差し止めにあってやめたわけですから。法的にもそれが正しいわけです。先輩のアメリカでは買収防衛作を撤回しているケースが増えているみたいですし。過剰な防衛策はよくないんですよ、きっと。24日の日経に、買収は「毒薬」ではなく「漢方薬」で防ぐなんて書いてありましたが、うまく言ったもんです。真摯な態度で株主と付き合い、お互いの信頼関係を構築しることによって買収を防ぐということですね。
by yangyi0312
| 2005-06-26 16:11
| 独り言