2005年 04月 21日
カネボウ考 |
週末から食中りで発熱と下痢に苦しめられました。コラムです。さて、今回は9年間にわたる粉飾決算が発覚したカネボウについてです。少しネタ古いですけど。カネボウは、私にとってはとても身近な存在でした。それは、実家の近くに工場があったから(陸上部も)。それも今回の再建計画でなくなることになりましたが。さて、そのカネボウの粉飾が明らかになったのが13日。実に債務超過が9期連続に渡っていたということです。そして、総額2000億円。長銀や山一並みの巨額の粉飾です。日経では15,16日に“開示不信「カネボウの粉飾」”という特集も組まれていました。目下の問題はカネボウが東証の上場を維持できるかということです。普通に考えれば、粉飾は天下の大罪、しかも9期にわたる債務超過で上場が維持されるわけはありません。っていうか、していいわけないじゃないか。東証が上場廃止を渋る原因が再生機構の上場維持の意向です。再生機構は再生には上場は維持された方がよいと言っているようですけど、その根拠は一体どこにあるのでしょうか。これまでの支援企業に上場廃止がないからか?一般的には(国際的には)再生する企業は上場廃止だそうです。再生ファンドの完全な管理下でじっくり再生させていくというプロセスがとられています。再生中の企業の株を株式市場で流通させてどうするんでしょうか。モラルハザードを呼ぶとともに証券市場自体の信頼に関わる問題です。これで上場が維持されたら有報の虚偽記載で上場廃止になった西武鉄道は浮かばれないとも言えます。これまでもりそなのように経営破綻しても株主責任が問われなかったケースがあり、日本の証券市場(株式会社制度)は一体どうなってるんだということになります。一方では、減損を早期適用で特損を計上する企業があるのにねぇ。再生中(いや、服役中?)だったら余罪があっても無罪になってしまうのでしょうか。それならみんな潰れるまで粉飾するだけして、再生機構にお願いに上がりますよ。上場廃止になっても影響は限定的だと思いますし、再生機構と東証には良識のある判断をしていただきたいですね。最後に今後のコラムについて。このコラム、始めた当初は1週間から10日に一回を最低ラインに設定してましたが、今後は2週間に一回を最低ラインにします。理由はお察しの通りです。
by yangyi0312
| 2005-04-21 23:34
| 会計一般