2005年 02月 24日
ニッポン放送株考 |
ちょっと世間の話題に乗っかってみました。コラムです。新聞・テレビでは、連日ライブドアとフジテレビのニッポン放送争奪戦が報道されています。現状では、40%超の議決権を持ったライブドアに対して、フジテレビ&ニッポン放送は、ニッポン放送の新株予約権(今は新株引受権じゃなくて、新株予約権なんですね)を第三者割当でフジテレビに与えるそうです。いわゆる、ポイズン・ピルですね。ライブドア側は、当然のことながら発行差止仮処分を申請するようです。支配権の争いにおいて、現経営陣が支配権を維持することを目的に第三者割当による新株を発行することは、正当化されるだけの合理的な理由がない限り不公正発行とされ、違法なものです。まあ、誰もがライブドアの支配権比率を下げるために行っているのはわかるのですが、司法の判断はそういう類のものではありませんし、そうであってはいけません。第三者割当増資の正当性については、何はともあれ正当化されるだけの合理的な理由が必要です。去年の夏のベルシステムの第三者割当増資なんかは、いい例です。ベルシステムは約490万株の発行済総数のうちの約204万株をCSKが保有していたところに、第三者割当増資で投資会社に520万株を発行しました。これは、CSKの支配力を下げてソフトバンクと業務提携を図ることが明らかな意図でした。発行済総数の倍以上、総資産の約2倍の額を突然増資するというのは、よっぽどのことがない限り有り得ない話です。これをあたかも合理的なこと(よっぽどのこと)のように説明するのが味噌です。この増資のお金はこれこれこういう事業のために必要なものであり、経営上必要なものだったと。ベルシステムの場合は、差止仮処分も控訴審も勝ちました。ニッポン放送の場合は、発行済総数が3280万株に対して、フジテレビに割り当てる新株予約権の数が4720万株です。これも普通に考えればポイズン・ピル以外の何者でもない数です。でも、ベルシステムの例のようにフジテレビがでっち上げれば勝ちでしょう。でも、かなり念入りに考えて用途とその見返りを構成しないと裁判所は支配権の維持と判断するでしょうね。明らかな有利発行で、失敗したのは忠実屋といなげやの相互の第三者割当増資がいい例です。さて、最後に私見ですが資本主義や株式会社というものの考え方からすれば、ライブドアは基本的に間違ったことはしていないです。何でもありというのもどうかと思いますが、今回はフジテレビの緩みきった経営感覚がこうした事態を引き起こしたのは間違いないでしょう。役所にしても企業にしても学校にしても、古い考え(悪い意味で)に染まってる集団は壊した方がいいです。
by yangyi0312
| 2005-02-24 13:28
| 独り言