2004年 12月 01日
会計学(者)の役割 |
師走でごわす。この2週間ちょっとで3キロ痩せました。久々に50キロ台目前。さて、今回は“会計学(者)の役割”と題して書いてみます。会計の役割というのは、言わずと知れたアカウンタビリティの遂行にあります。そもそもは。最近は、証券市場が発達していることもあって、投資家への情報提供ということが重要視されていますが、これもアカウンタビリティに内包されるものでしょう。では、会計学というのは、この会計にどのように関わるのかと言えば、個々の会計処理や財務諸表の表示の仕方などの理論的な解明とそれに基づく制度構築ということではないでしょうか。断っておきますが、財務会計というジャンルを前提に話しています。管理会計や税務会計、監査というのは、会計学という枠組みには入りますが、とりあえずここでは区別します。そもそも区別する必要もなく、全体を総合して考えることが重要だとも思いますが、私にそこまでの能力や知識はありません。現在の資本主義経済を支えるインフラの一つとして会計制度がある限り、それを正しい道に導いて、公正な市場や公正な経済社会を作っていくことが会計学の役割であり使命です。ということは、会計学者はそんな役割を果たすべき会計学を実践する立場であり、それが役割です。しかし、このように漠然と抽象的に考えることは可能ですが、実際自分の研究がどのように社会に貢献しているかというのは非常に見え辛く、研究者の方も「あんたの研究はどんな風に役立ってるの?」って聞かれたら、答えに窮する方も少なくないはずです。これは、研究者としては悲劇ですね。自己のアイデンティティを失う寸前です。このような状況は、兎角研究の中の研究であるとか、本を読みながらの実体を見ない抽象的な研究という研究スタイルが原因なんでしょう。いかに、市場や市民生活に会計学が直接語りかけ、よりより社会を構築することに貢献できるかが問題です。会計学者が科学者として、市場や市民生活に直接関わりながら、自分の研究を最大限に活かすためにはどうすればよいのでしょうか?こういう議論をすると、実務家と呼ばれる会計士さんや税理士さんがそれに該当するような気もしてきますが、これは少し違うはずです。彼らは、制度に従って社会の秩序を守ったり、助言をすることが仕事です。制度自体を疑ったり、ケチをつけるのは本来の仕事ではありませんし、それを科学的な解明をするというのは少し難しいでしょう。そして、そこに会計学者の役割があるはずなんですけど、どうもしっくりきません。研究が単なる自己満足や仲間内の議論に終始している感が否めないわけです。日本でこれまで会計学が注目されなかったことや現在も社会の認識が低いというのもそこのところの説得力というか明確さが足りないからだと思います。「で、君たちは何やってるの?」みたいな。難しい問題ですね(投げっぱなしで終了)。
by yangyi0312
| 2004-12-01 23:28
| 会計一般