2008年 12月 28日
短期コンバージェンス・プロジェクト |
休み期間中は、昼夜、活字とPCとの睨めっこ。コラムです。一昨日、企業結合に関する6つの基準等(企業会計基準第21号「企業結合に関する会計基準」、企業会計基準第22号「連結財務諸表に関する会計基準」、企業会計基準第23号「『研究開発費等に係る会計基準』の一部改正」、改正企業会計基準第7号「事業分離等に関する会計基準」、改正企業会計基準第16号「持分法に関する会計基準」、改正企業会計基準適用指針第10号「企業結合会計基準及び事業分離等会計基準に関する適用指針」、長い!)が公表されました。これをもって、東京合意に基づく2008年までに解消するべき重用な差異、ASBJのプロジェクト計画表でいうところの短期プロジェクト項目が、すべて完了したということになります。固定資産の減損については、IASBとFASBの動向を踏まえて対応することとして外れていますが。そもそも、この短期プロジェクト項目は、EUによる同等性評価において排除するよう指摘されたIFRSとの差異です。2005年7月の公表時には、26項目ありました。苦節3年半、コンバージェンスを進めてきた甲斐あって、今月欧州委員会から日本基準をIFRSと同等と認める旨が公表されました。ここに2009年問題といわれていた日本企業のEU市場におけるIFRS強制適用は回避されたことになります。これまでのプロジェクトを振り返れば、企業結合(プーリング、その他)、連結の範囲(SPEの開示、連結)、会計方針の統一(在外子会社、関連会社)、ストック・オプション(費用化・注記)、棚卸資産(評価基準、後入先出法)、無形資産(研究費、開発費)、工事契約、資産除去債務、退職給付(割引率その他)、金融商品(時価開示)、投資不動産と書くのも面倒な数です。それにしても、1997年6月の連結財務諸表制度の見直しに関する意見書辺りから始まった会計ビックバン、それに続く一連の会計基準の設定と改訂と、この10年、矢継ぎ早に会計基準は変更されてきました。素人目に見て、ルールがこれほど頻繁に変わると、読み手(作り手もそうですが)は数値を正確に分析できなくなってしまうのではないかと思ってしまいます。あと、IT技術などが典型ですが、知識(技術)の陳腐化が早く、継続的な勉強が必要不可欠なジャンルに簿記・会計も入ってきたなと。簿記検定などもボクが学生していた頃の知識で解いては、マルはもらえません。ついつい慣れ親しんだ勘定科目を使ってしまったり。年初の国際会計はその典型で、今月作ったレジュメが日々のニュースで、すでに陳腐化してるんだから・・・。
by yangyi0312
| 2008-12-28 10:24
| 会計一般